子どものエネルギーは、宇宙に向かって、人が人としての平和な秩序をつくりあげてゆく方向に向かわせなくてはなりません。子どもの本来持っている優れた能力を社会のため、人々のために役立つことの喜びを感ずる人格を!この世は、なんと素敵なところなのだろう、と感じさせてあげるのが大人の役割です。
長い、歴史の中での生まれ育ってきた文化遺産をそのまま、子どもたちに手わたしたいですね。
『美しい母国語を!ひびきを!そして、森羅万象、伝えないではいられないほどの美しい芸術の数々、人々の生活をゆたかに彩る科学的知性の発展の偉大な宝庫を!』それらの恩恵に対しては、慎み深く感謝の心をもってまなびすすめていくことの神秘の喜びを謙虚に学び、人はひとであるために、人はなんのために生きるのかを学ぶためにも、この世のすばらしさを伝えたいのです。
この世で初めて出会う、事物の世界から一歩一歩、親切に丁寧に心をこめて子どもに伝えなくてはなりません。そのときから、子どもが変わります。
無言で言葉でない言葉で、その喜びを伝えているのです。その様子をみて“子どもが変わる!”と大人は驚くのです。
けれども、驚くことではないのです。なぜなら、それが真実なのですから。ずいぶん、長いこと、子どもは、未知の世界に埋没されていました。子どもは、発見されたのです。100年前に!しかし、人々は、まだそれを信じようとはしないのです。マリア・モンテッソーリの教育哲学に学ばなくてはなりません。